LEC東京リーガルマインド反町社長インタビュー

2007年

ポテンシャルについて

Q1.反町社長は会計士二次試験に合格され、司法試験にも合格されました。そのような輝かしいキャリアを持ちながら、あえてLECを設立するに至った経緯をお聞かせください。

私の会計士受験の際は、ゼミを作って問題を作成し、これをタイプで打って、ゼミ仲間と一緒に答案練習会をしました。 1968年のころです。区立の青年会館などを借りてやりました。そしてその仲間は30人中28人が一度に合格しました。
一方司法試験は、会計士と違って一個の正解を出すのではなく、考え方のプロセスの正確性を問う試験です。
ところが、司法試験の受験勉強、解答の作成方法、そのための教材などがまったくありませんでした。
そこで、私がこの役割をやってきたということでしょうか。合格者は誰でも合格後の実務につくわけですから、
会計士試験にしても司法試験にしても、合格のノウハウを受験者に公開する仕事に専任する人はいません。
私がこのことをやったわけです。また、「三回司法試験を受けて、受からないなら、リーガルマインドがないからやめろ」
などと勝手な放言をした学者が結構いました。そういったことにも、影響を受けました。
リーガルマインドは発見するものではなく、学習をして養成するものだからです。

Q2.座右の銘、尊敬する人はいますか。

A2.座右の銘は、『開発・創造ひとすじ』ということでしょうか。常に何か新しいこと、前向きなことに関わっているのが習性です。
尊敬する人は経営者なら渋沢栄一、P.F.ドラッカー。発想と創造のパイオニアは織田信長ですね。

Q3.今、大学時代に戻れたら何をしたいですか。

A3.LEC大学の学生になりたいです。やっぱり大学時代は本格的にサイエンスを体得することができる時です。
遊ぶことは後からいつでもできます。しかし、学問はタイミングが重要なのです。

Q4.他の経営者よりも勝っていると思う点はどこですか。

A4.自分がやるべきことは逃げることなく、必ず実践し、成功するようにこだわることです。
つまり、バカで鈍感で融通が利かない性格なのです。

Q5.反町社長のご趣味は何でしょうか?プライベートの時間は何をされているでしょうか。

A5.読書です。とにかく社長として読むべき書類や専門書や社内の決裁書類など膨大です。
とても休日や夜間の時間ぐらいで消化できません。専門的知識やもろもろの科学の知識が不足していることを毎日痛感しています。
実社会は、横断的な専門的知識・科学知識が基礎学力として必要があり、これを踏まえその応用能力・判断能力がさらに必要となるのです。 このような能力は他人に権限委譲することはできません。高度知識情報を扱うものは、この点を誤解してはならないでしょう。

Q6.反町社長にとって「幸せ」とは何ですか。

A6.生まれてこの方、現状を打破すること、現在の境遇を脱出すること、俗に言えば、前進すること、
そんな生き方をしてきたものですから、自分が「不幸せ」か「幸せ」かということをしみじみ考えた記憶がはっきりありません。
自分が不幸であると認識したからといって、そのことから何かが生まれるわけでもありません。
現在が良くても悪くても、ただひたすら現状打破に向けて、「開発・創造」の道一筋です。


経営戦略・ビジョンについて

Q1.LECを創造情報としてのサービスを提供する「第5次産業」として定義し、LECはその分野におけるパイオニアでありますが、第五次産業とは何ですか。

A1.まず提供する客体、つまりサービスが大脳皮質の創造物であること。
一般にサイエンスが作る理論体系・科学体系の内容からできているものです。
次にこの大脳皮質の創造物を社会のニーズに即して、継続・反復・大量に提供する創造手段を所有すること。
この二つから成り立ちます。私はこれを第五次産業と名づけています。学会が認めた概念ではありません。
私の創造したキーワードです。

Q2.第一に高度な頭脳創造商品の開発製造を担う人材の育成を、

第二にこのような人材が十全に能力を発揮できるような知的インフラの整備とかかる人材の管理を担当するマネジメント専門家の養成、
という経営理念を掲げていますがご説明頂けますでしょうか。
A2.第五次産業の知的創造物を作成する人材がいなければ、21世紀が目的とする高度知識情報産業は到来しません。
このような知的創造物は、ひとりでは作成できません。何しろ知的創造物が21世紀の富の中核となる大産業なのですから。
そこで、このような制作者を養成して、創造物が社会のニーズに即し、かつ産業として成立するようにマネージメントする、
管理する、いわゆる経営管理者群が登場しなければなりません。

Q3.中国市場の成熟により、新たなビジネスチャンスが生まれましたが、
LECでも何か中国を睨んだ経営戦略を考えられているのでしょうか。

A3.LECが担当する第五次商品は、高度に成熟した社会が成立して初めて登場する商品です。
中国の現状はこの成熟社会からほど遠いといえます。LECが参入する時期としてはまだまだ先の話ですね。

Q4.現在直面している課題は何かありますか、またこれまで一番困難だったことは。

A4.いわゆる官製市場に包まれているサービスを、官から開放し、民が行うこと、これが課題でしょうか。
LECもこの分野で尽力しているわけです。実社会においては、現在の仕事が常に課題であり「困難な仕事」です。
企業が立ち向かう現在・未来には容易な仕事とか困難な仕事という認識はありません。
ただひたすら遭遇する現実を克服すること、目標を達成すること、そのための方策を冷静に着実におごることなく、静かに遂行することです。 仕事を法律に違反することなく正しく行うことは当たり前ですが、常に気をつけていることです。


マーケティング、ファイナンスについて

Q1.市場規模はどのぐらいですか。

A1.大学の分野で考えた際の市場規模は30兆円です。これは株式会社に開放された場合の医療と同じくらいの規模かと思います。

Q2.スポンサーとの関係はどうなっていますか。

A2.LECは、銀行からの借り入れもありませんし、スポンサーもいません。またLEC大学は文部科学省の補助金ももらっていません。

Q3.資金繰りはどうですか。

A3.資金繰りについては借り入れがありませんので、資金繰りに困ることはないですね。昔はよくありましたけれども。

今後について

Q1.今後の展開、夢についてお聞かせください。

A1.LECの今は、いわば海底からやっと海面上に上がってきた段階です。これからが一人前の活動がはじまるということでしょう。








LECの反町社長にインタビュー!
資格の総合スクールLECを設立し、世界に活躍する人材育成をしたといっても過言ではない反町社長に、お話をお伺いしました。インタビューをした担当者は大学生だったのですが、快く引き受けて頂き、若い人材を心から育てて生きたいという熱意に感銘を受けました。

そんな反町社長のポテンシャル等を学ぶ機会が御座いました。皆様にも少し御紹介致します。