2005年11月13日
自己分析力とコミュニケーション力の向上
はじめに
2005年11月13日(日)にお茶の水女子大学徽音祭の中で、「1 自己分析って、一体どうやるの?」「2 柏原氏のコミュニケーションとは?」という2点について、パソナアイ代表取締役の長谷川 智紀
氏と、インヴィジョン代表取締役の柏原 瑛美 氏に講演会に来ていただいた。
under25のパソナアイ代表取締役の長谷川 智紀 氏
長谷川氏は、25歳という年齢にもかかわらず、約40名の従業員を率いる会社の社長である。長谷川氏は、「どんな学生生活を送ってきたのか?就職活動はどのように行ったのか?」という観点から講演会は始まった。
長谷川氏は、人間が好き、お祭りごとが好き、バンド活動をしていたとの3点から、コミュニケーション力が高い事がうかがえる。同窓会の幹事なども率先してやり、イベント屋であったとも語る。就職活動はどのように行ったのか?
就職活動時期の行動も、とてもユニークなものである。セミナーなどの参加では最大公約数的な話ばっかりで、本音を聞けずに面白くなかったとのこと。そして、居酒屋就職という方法を思いつく。
これは、入社してみたいと思う会社の近くにある居酒屋に一般客として待機して、その会社の社員の飲み会にまざって、話を聞くという方法だ。コミュニケーション力の高い長谷川氏ならではの方法とも言える。酒が入ると、社員さんもグチをいったり、普段では聞けない内部の生の声が聞けたという。このように、全く違った角度のアプローチもあるんだなと関心した。
就職後にも、顧客の違いに焦点を当て、フロアの40%の売り上げを達成!
ソニーに入社後は研修で秋葉原のラオックス本店の現場に派遣され販売員を経験。この時のアプローチもまたユニークである。秋葉原には、様々な顧客が来るが、アキバ系と言われる、パソコンにとても詳しい客には自分では対処しきれないと判断して、顧客を、外国人と女の子の2タイプにしぼったという。女の子は、操作がカンタン、可愛いデザイン、などで買い、外国人が秋葉原に来るという事は、ほぼ何かの商品を買うと決まっているという。このように、顧客によっても焦点が全く違うのだ。自分がパソコンにとても詳しい客には対処出来ないと分析して、出来る所に集中するという方法は、一見すると当たり前のように思えるが、実際に出来ている人は少ないと思う。こういった事を考えて行動に移していく能力は素晴らしいと思った。
この作戦が功を奏し、フロアの40%の売り上げを、なんと1人で売ってしまった長谷川氏。この事件がきっかけで、他の同期とは異なったローテーションでの配属が続いたという。
自己分析の時に何に焦点を合わせるか?
長谷川氏の自己分析の特徴としては、「自分の出来ないことを知ること」というのがあげられる。若くて経験と知識がないのに、出来ると考えて、完璧なレールをひくのは難しいと。完璧なレールをひくことは出来ないのだから、難しく考えず、シンプルに簡単に考えると良いと言う。
他にも、「後悔するイヤな人生をリストアップしてみては??」という方法もあり、そこから、自分の後悔しない人生についてのヒントが見つかるという。「出来ることではなく、出来ないことを知る。」「後悔しない人生ではなく、後悔する人生とは何か?に注目する」というように、逆から考える発想は、問題の根幹へのアプローチといて、とても面白いものだと感じた。
今の地点での夢を設定して、自分作りをしてみよう。
目標設定についても、今の地点での夢を設定しよう。そうする事によって、その夢に対してのアンテナがのびて入ってくる情報が変わったり、情報に対して敏感になるという。
「自分探しより、自分作りをしてみては?」という事からも伺えるように、あまり自分を分析しすぎるよりも、魅力的な人間になるために、自分をもっと成長させていくことが大事だなと思った。
美人でサバサバしているインヴィジョン代表取締役の柏原 瑛美 氏
柏原氏は、とても綺麗な方であると同時にとてもパワフルな方でもある。柏原氏の経歴も、とてもユニークだ。数々のミスコンに入賞したり、16歳までに、香港に10年滞在し、外資系金融会社を出て、会社を設立したという。
話しぶりもとてもサバサバしていて、聞いていて気持ちがいい。「こんなこと言って大丈夫なの!?」(笑)という事まで話して、こちらまで冷や汗ものである…(笑)そんな柏原氏も、昔は、人前で話すのが苦手で、あがってしまう子だったという。香港のアメリカンスクールに約10年いたが、16歳までは、人前に出るとはずかしがってしまう自分がいたという。
きっかけは芸能界!?
そんな柏原氏を変えたのは、母の影響も大きかったという。あがり癖をなおすために、母の「人前に出る仕事をしてみては?」という提案で、芸能プロダクションなど、50社ほどの面接に行ったという。あがり症の娘にそういった提案をする母も凄いが、実際にオーディションを受けに行ってしまう柏原氏も、これまたパワフルである(笑)
ある面接では、カーペンターズの曲をスクール水着で歌ったりと、色々と恥ずかしい経験をしていたら、失うものがなくなったので慣れてきて、話せるようになったという。
私自身も、最近坊主頭にした事により、失うもの(髪の毛)は無くなり、昔に比べてアクティブで堂々とするようになったという…(友人談・笑)という話はおいておいて…。
話す時のポイントとは?
話し方のポイントとしては、話す前からの印象づけが大事だということで、・声の大きさ 明るさ トーン テンポ ・目を合わせる事とジェスチャーの重要性について強調していた。
特に、2つ目の目を合わせる事とジェスチャーについては、大事な事でありながら、意外に意識してやっている人は少ないとも思われる。会場で、実際に隣の席に座ってる人と、目を合わせて、ジェスチャーも取り入れて話すという事を、実際にやる時間があり、それを通して、コミュニケーションをする際の、会話面以外でのノンバーバルコミュニケーションの重要性を感じた。
電話のアポのコミュニケーションについても、出来る人と出来ない人の違いだが、出来ない人は決まり文句の対応である。しかし、出来る人は、いかに営業に見せずに会話をするという。 お客様に対しても下手になりすぎるのではなく、対等なイメージで人間として接していくことが大事だとのこと。
「日本人は、日本の良さに自信を持って!」
そして、最後におっしゃった事で新鮮だったのが、日本の良さについての主張である。
「日本に対して、自信を持ってない人が多い。」この言葉には私もハッとされられた。10年間もの長い期間、日本以外の国に滞在していた柏原氏だからこそ言える重みのある言葉だなと思った。
私自身も英語が好きで、アメリカやヨーロッパなど欧米に対して変な幻想や憧れ、劣等感を抱いてしまう事があった。2ヶ月の留学経験の際には、日本の良さを色々と再確認した。日本は、食事がとても美味しい。感情がこまやかである。真面目で素直である。など。日本を出ると、様々な事を改めて感じるようになった。日本人は日本に誇りをもって、自分の国は素晴らしいと思う事が必要だとも感じた。そういう自信があってこそ、外国人とも対等に接する事が出来て、日本の会社も外資に負けずに成長出来るのではないだろうかと感じた。
日本では、女性の社長や管理職の方がまだまだ少ないが、これからは、海外と同じように増えていくと思う。柏原氏は、期待の星であると感じた。
おわりに
今回は、自己分析とコミュニケーションという、2大テーマについての講演会であったが、やはり、ビジネスで一番大切なのは、対人関係、そしてコミュニケーション力である、と感じる。だからこそ自己分析で、自分の得意・不得意をを知り、コミュニケーションの際に、相手に対して、その自分をいかに上手く伝えていくか?これが成功につながる大切なポイントであるのだなと、2人のパワフルな社長からひしひしと伝わってきた。 長谷川社長、柏原社長、そしてスタッフ、参加者のみなさん。講演会&懇親会への参加誠にありがとうございました。
長谷川 智紀氏
ソニー株式会社にて新商品の発売立ち上げなど新規案件プロジェクトをいくつも経験し、後株式会社パソナアイ代表取締役就任。
柏原 瑛美氏
ミス香港大学優勝、美少女コンテスト特別賞、テレビ局で司会等を経ていることもあり、コミュニケーションの達人です。外資系金融会社を経て、翻訳事業およびウェブ製作事業を手がける株式会社インヴィジョンを設立。